現場の裏側ブログ
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中古の一戸建てやマンションを購入し、好みやこだわりを詰め込んだオリジナルの住まいへリノベーションするというスタイルが、いま新しい「住まいの夢」として、多くのひとの憧れやブームになっています。
しかしもちろん、ただやみくもに中古の物件を購入してリノベーションしようとしても、思い描いた住まいが実現しないこともあります。
どのような物件がリノベーションに適しているのかを考えていきましょう。
リノベーションできないケース
リノベーションというと、どんな古い住まいでも生まれ変わらせることのできる魔法のようにイメージしている方も多いかもしれませんが、実はそうとは限りません。
例えば、大きな柱やパイプスペース(水道管やガス管などの配管を集めているスペース)が部屋の中央やそれに近い部分にある、というような物件があるとします。それらは動かすことができないことがほとんどですので、ひとつの部屋にして大きなリビングを作りたかったのに・・・といった場合には、工夫次第で部屋を作ることができることもありますが、あきらめてデザインや間取りの変更を余儀なくされるということもあるのです。
こういったことを考えると、中古物件ならなんでもいいというワケではなく、リノベーションにふさわしい物件に目星をつけて選ぶ必要があります。
リノベーションを考えた物件選びのポイント
①築年数
住まいの安全性を考えると、2000年6月以降に建てられた物件がおすすめ。
木造住宅の建築基準法が改正された後に建てられた家のため、耐震基準が現行法に適合しており耐震補強工事も不要です。
1950年から2000年までに建てられた木造住宅の約9割近くは耐震性が不足しているというデータもあるため、住まいの安全のために耐震補強工事が必要となると考えてよいでしょう。
耐震補強工事には100万円~200万円ほどの費用がかかります。しかし、築20年~30年程経った住宅は不動産価値が消滅し、土地代のみで購入することが可能です。安く物件を手に入れられた分、耐震補強工事などのリノベーション費用に充てることができる・・・という考え方もできますね。
②工法
間取りを大きく変更するリノベーションの場合、多くの木造住宅で取り入れられている「木造軸組工法」が適していると言われています。
木造軸組工法は梁と柱で構造が組み立てられている物件は、壁を取ることが比較的簡単なので自由度が高く、大胆な間取りの変更も可能です。
逆に大手ハウスメーカーなどで施工されている「2×4工法」は、柱ではなく建物で壁を支えている構造のため壁を取り払うことが難しく、あまり自由に間取りを変更することはできません。
思い切った間取りの変更を希望する場合は、木造軸組工法の物件を選びましょう。
他にもプレハブ工法などがありますが、形式によっては間取りの変更が難しい場合もありますので、物件を探す場合はリノベーションしたいということや、どういったリノ
ベーションを行いたいかというイメージを伝えておくとスムーズです。
③管理状態や規約
マンションのリノベーションを検討する場合は、実際に物件を見学した際に共用部分がきちんと管理されているかを確認しておきましょう。
せっかく自分たち家族の部屋をきれいにリノベーションしたとしても、エントランスや駐車場・ゴミステーションの掃除が行き届いていなかったり、外壁や階段にヒビが入っていたり・・・という状況では安心して暮らせませんよね。
そしてリノベーション工事を行う上で、利用規約の確認は必須です!安心して暮らすという観点から長期従前計画が建てられているかを含め、希望するリノベーション工事が利用規約で禁止されていないかをチェックしましょう。
騒音の問題などで、床や壁・天井・共用部分とみなされるバルコニーやドアの工事を禁止
している場合もあります。購入していざ工事・・・となった時に、その工事はできない!となってしまったらこれ以上の失敗はありません。
④お金
住宅購入しリノベーションをするにあたり住宅ローンの利用を視野に入れている方も多いと思いますが、物件によっては融資限度額が低く設定されていたり、場合によっては住宅ローンを組むことができないこともあります。
敷地と道路の条件が満たされていない「再建築不可」「要セットバック」の物件などがそれにあたり、土地を買い足して条件を満たしたり減築したりする必要が生じる場合があります。条件を満たすことが難しい場合もあり、可能な限りそういった物件は避けたいところ。
しかし、制約があったり住宅ローンに制限が設けられていたりといったデメリットはありますが、こうした物件は比較的安く購入できるという大きなメリットがあります。
リノベーションの計画や予算などを考え都合が合えば、こういったお得な物件を購入するというのもひとつの賢いやり方でもあります。
まとめ
リノベーションには、立地条件や状態などにこだわらず理想の住まいを手に入れることができるというメリットがあります。
後悔しないリノベーションは元となる中古物件選びから始まっていると考えて、最適な物件を選びましょう!
住まいのリフォーム、どんなところを住みやすく作り変えたいと考えていますか?
最新式のキッチンに広くてキレイなお風呂・エコを意識した省エネハウス・オシャレな内装を揃えたインテリアなど・・・夢はふくらむばかり。
リフォームとは、今以上に暮らしやすい住まいを手に入れること。そのためには「生活の動線」が非常に大切であることを、今回は考えていきたいと思います。
生活動線とは?
生活動線とはご存知の通り、住まいの中で家族がどのように動いて生活をしているか?その動き方やルートのことです。
朝起きてベッドから出て、お手洗いへ行き洗面台へ。リビングで朝ごはんの食卓を囲み、着替えて準備をして出勤。
買い物から帰ってきて買い物袋をキッチンに置き、冷蔵庫やストッカーなど食材を定位置へ。調理中は炒め物をしながら調味料を取り、食器を取り出して盛り付けて食卓へ。
普段何気なく当然のように行っている生活の一コマ一コマですが、「トイレの右となりが洗面台」「タオルはここ・シャツはこのタンス」「調味料はここ・あのお皿はあっちの棚」など、無意識のうちに体が覚えているためスムーズに行えていること。そのルート。これが動線です。
生活動線が狂うと・・・
ではある日突然、この環境が変わってしまったとしたらどうでしょう。よそのお宅にお邪魔した時や、模様替えをして家具の位置を変更した時など。
「あっそうか、洗面所はこっちじゃなかった」
「タンスの位置を変えたら不便になったなぁ・・・」
「コンロから手の届かない位置に調味料があるのは不便!」
こんな経験どなたにでも一度はおありなのではないでしょうか?生活動線が狂うと、このような不便が起こります。
よそのお宅であれば一時的ですし、模様替えしただけならまた元の位置に家具を動かせば解決します。しかし、これがリフォームだったらどうでしょう?簡単に元の位置に戻せばいい・・・という訳にはいきません。
生活のささいなことに不便を感じることは、小さな積み重ねがストレスになりますし、動き方が変わると家具や壁・ドアにぶつかったり室内での転倒など、ケガにつながる危険も。特にお年寄りや小さなお子さま・ハンディキャップをお持ちのご家族がいらっしゃる場合には深刻な問題です。
動線の種類
生活動線の中にはおおよそ3種類あります。
・家事動線:掃除・洗濯・調理など家事をするための動線
・衛生動線:お手洗いや洗面所・お風呂へ行くための動線
・通勤動線:リビング・玄関と家族の部屋や寝室を結ぶ動線
この動線をなるべく崩さないということも大切ですが、家族みんなの動線がぶつかり合わないということも非常に大切。
たとえば平日の朝。家族の誰もがバタバタと忙しく動き回る時間ですね。朝食やお弁当の支度をするお母さん。家族の中で一番早く洗面所で身支度を整えるお父さん。学校の支度をバタバタと整え、着替えを済ませたい子どもたち・・・この家族みんなの動線が重なってしまうとどうでしょう。家庭のなかで朝の「通勤ラッシュ」が起こってしまいます。
動線を意識したリフォームのために
家族みんなの動線を狂わすことなく、スムーズにより暮らしやすいリフォームのために、次のポイントを意識しましょう。
①家族全員の動線を把握する
家族全員が暮らしやすい家にするためにはみんなの動線を把握していることが何よりも重要。
家族ひとりひとりが普段どのように動いているのか?どこがどのように変われば・何があればより便利になるか?そういったリフォームを考える家族全員時間を取ることが望まれます。
②図面で動線を確認する
だいたいの構想が決まり、簡単なものでも図面ができていれば、その図面にふだんの動線をペンで描いてみてください。
同じ場所に線が重なりすぎたり、左右や上下に行ったり来たりする線などしか描けなかったなら、それは生活動線が良くないということです。
円や四角など単純な図形を描く時のように、一筆描きの少ない線を描けることが理想です。
リフォームの時はどうしても、家具や設備など最新式のキレイなものに目を奪われてしまいがちになります。しかし、そればかりに気を取られいざリフォームが完成した時、動線が狂ってしまい生活しづらくなってしまった・・・というのは、実はありがちなリフォームの失敗例です。
まとめ
生活動線ばかりを気にしていたら、いまどきのリフォームはできないの?あの憧れの設備は手に入れられないの?なんて不安をお持ちの方、心配ご無用です!
クリエートでは数々のメーカーの設備を実際にご覧いただけるショールームへご案内・ご同行し、皆さんのお住まいにピッタリのものを必ず見つけることができます。
動線をどのように考えたらよいか分からない、という場合もご相談ください。ご家族のライフスタイルをお聞かせいただき、より暮らしやすい住まいのために一緒に考えていきましょう!
「家を持つ」ということにおいて、新築で住まいを建てる・新築の住まいを購入するというのがステータスであるとされてきました。実際にいまもそのように考えている方も多くいらっしゃるでしょう。
しかし時代は流れ、リフォームやリノベーションが広く定着するようになったいま、中古の住まいを購入し自分たちらしくアレンジするという新しい概念が生まれてきています。
どちらも非常に魅力的ですが、新築とリフォームは、それぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。
新築の特徴
新築で住まいを建てる(建て替え)・購入する場合、現在は平均1,000万円~4,000万円ほど。
分譲・建売の住宅もありますが近年人気なのは注文住宅。その名の通り、外装・内装・間取りなどを好きなようにオーダーメイドできます。
キッチンやお風呂・トイレなどの設備も家族のライフスタイルに合ったものを選べますし、機能性の高い最新のものを導入できます。
住まいはこれからの生活や人生の大きな基盤となるものです。その住まいを自分たちの生活に合ったもの・気に入ったもので揃えることができ、長きにわたって満足のいく暮らしを送れるというのは、新築住宅の大きな魅力でしょう。「夢のマイホーム」とはよく言ったものです。
中古の特徴
中古住宅の価格については状態や条件などによりさまざまですが、資金総額の平均は約2,200万円。中古住宅は間取りや広さに余裕があることが多く、広い住まいを新築住宅よりも1,500万円ほどの価格でマイホームを手に入れることができるというのは、中古住宅のもっとも大きなメリットです。
中古住宅をリフォーム・リノベーションするんだったら結局、新築と変わらないんじゃないの?というイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、中古住宅を購入してリノベーションを行ったとしても、費用の平均値は500万円~700万円ほど。
中古住宅を購入して大規模なリフォーム・リノベーションを行ったとしても、新築を購入した時の約8割ほどで済みます。
新築vs中古?
では、中古住宅と新築住宅どちらがいいのでしょうか?住宅ローンなど資金面を含め、それぞれのメリットを考え、ご自身や家族のライフスタイル、今後の暮らしのことも考えてじっくりと選びましょう。
例えば、住宅の安全性について。
日本はこれまで何度も大きな災害に見舞われ、特に東日本大震災以降、住まいの安全についての関心は大きく高まっています。
住宅の耐震基準などは、建築基準法などの改定にともない昔とは変化してきています。現在の耐震基準・最新の建材を使用した地震や火事・災害に強い安全な住まいで暮らすことができますし、資産価値も高くなります。
中古住宅は築年数が古い場合、現在の耐震基準を満たしていない場合もあります。そういった場合にはリフォーム・リノベーションを行う際に、耐震補強の施工を同時に行うよう計画を立てましょう。
中古リノベーションのメリット
オーダーメイドで好きな住宅を建てられるのが新築の魅力ですが、同じように中古住宅をアレンジし、ライフスタイルに合わせた住まいを手に入れることができるというのは、リノベーションもまた同じ。リノベーションやリフォームで思いっきり間取りを変更したり、最新の設備を導入することはもちろん可能です。
また、建て替えの場合をのぞき、建売の新築住宅を購入したいと考えている場合、通勤や通学・生活環境(学校・スーパーなどの近隣施設・病院など)のことを考えると、気に入った家を見つけても生活するのに不便なせいで購入をあきらめなければいけない・・・ということも少なくありません。
新築にこだわらない場合、リノベーションをすること前提で中古住宅の購入を考えている場合にはハードルがぐっと下がります。極端に言えば、大体の条件を満たす住宅さえ見つかればいいので、通勤に便利・スーパーが近くにある・・・などの条件を優先して探すことができます。
また、すでに完成している状態なので、実際に「この街で暮らしていく」というイメージが湧きやすいです。交通の便や地域のコミュニケーションの様子など、今後の生活を具体的にイメージできるというのは安心に繋がります。
「家があるからこの街で暮らす」のではなく、「暮らしたい街に住まいを構える」ことができるというのは、中古住宅のもっとも大きなメリットではないでしょうか。
まとめ
もちろん、こだわりを詰め込んだピカピカの新築の住まいというのはとても気持ちがよく、安全で快適な暮らしを送れることは間違いありません!
しかし、リフォームやリノベーションの価値が上がり、中古住宅の可能性が大きく広がっていることもまた事実。
これまでのイメージにとらわれず、中古住宅の魅力を何倍にも引き出すリノベーションを検討してみませんか?未来の暮らしの可能性が、ぐっと広がるはずです。
突然ですが、「リフォーム」と「リノベーション」の違いってどんなことかご存知でしょうか。住まいのリフォームをご検討の方であれば、どなたも一度は耳にしたことがあるであろうこの言葉。
「リノベーションの方が大掛かりな工事が必要なんじゃないの?」
「リフォームは家の中だけの工事のこと?」
さまざまなイメージをお持ちの方が多いようですが、今回はリフォームとリノベーションの違いについてご紹介していきたいと思います。
それぞれの意味
リフォーム
英語で「リフォーム(reform)」は「改革する・改める」という意味ですが、住宅用語では一般的に、老朽化した住まいをまるで新築のような状態に戻すことをリフォームと呼んでいます。また、賃貸住宅で前の住人の方が退去した後、次の入居者が入るまえに元の状態に戻す「原状回復」という意味で使われることもあります。
「改める=良い状態にする」という言葉の通り、老朽化している・壊れている・汚れた部分を新しくきれいにして、悪い状態を回復するのがリフォームです。
具体的には室内の壁紙の張替え・キッチンなど水回りの設備を新しくする・家の外装を塗り直すことなどがリフォーム工事となります。
リノベーション
「リノベーション(renovation)」は住宅関係以外でも耳にすることの多いワードですが、日本語に訳すると「刷新・修復」という意味になります。
リフォームが「古いものを新しく・悪いものをよく」する原状回復を指すのに対し、リノベーションは「作り変える」という意味合いが強く、今あるものにプラスアルファで機能を足し新しい価値を生み出すものです。
古いキッチンをまるごとデザイン性の高いおしゃれなシステムキッチンに変えたり、3LDKの部屋の間取りを大きく変え、広々とした1LDKに改修するなど、住む人の好みやこだわり・ライフスタイルに合わせて自由に住まいをアレンジすることを、リノベーションと呼んでいます。
リフォームとリノベーションの違い
工事の規模
簡単にお話すると、リフォームよりもリノベーションの方が大掛かりな工事が必要となります。
壁紙を張り替える・キッチンやお風呂を新しくするといった比較的小規模な住まいの工事はリフォーム工事と考えて進めていきます。
水道管や排水設備・電気設備の変更・間取りを大きく変更するといった大規模な工事が必要な施工は、リノベーションであると考えていいでしょう。
リノベーションは時に建て替えのような大規模な改修工事が必要となり、一旦内装を全て解体した「フルスケルトン」という状態から施工を開始することもあります。
費用
大掛かりな工事を必要とするリノベーションの方が当然、かかる費用も大きくなってきます。
どこをどのように新しくしたいのか・どんな風に住まいの性能を上げていきたいのか・・・つまり、どのような住まいに生まれ変わることを希望するかで、必要なのはリフォームなのかリノベーションなのかが決定します。
費用もそうですが工期もリノベーションの方が長くかかりますし、築浅の物件ではリフォームでもリノベーション並の性能アップが見込めるケースもあります。
ご自身の住まいにはどのような改修が合っているのかを、リフォーム会社とよく相談して決定しましょう。
リフォームのメリット
工事費用や工期を短く抑えられるのは、リフォームの大きなメリットのひとつです。例えば住まいを購入した時に改修を希望する場合は、新居に早く入居できるのは断然リフォーム。現在住んでいる家が賃貸で家賃などが発生している場合はコストを低く抑えられます。
また、間取りや機能の大きな変更がないため、これまでと同じ動線で生活できることや、新しくなった住まいの姿をイメージしやすいというメリットもあります。
リノベーションのメリット
リノベーションのメリットはなんといっても、その自由度の高さ。住まいに合わせて生活をするのではなく、ご自身の生活に合わせて住まいをアレンジできるのが最大の魅力ではないでしょうか。
自由にアレンジできるということは、どんな物件も自分好みにできるということ。希望エリアに理想の物件がなかなか見つからない・いい物件を見つけたけれど通勤が大変・・・そういった悩みは物件探しにはつきものですが、希望するエリアに希望する価格帯の物件を見つけさえすれば、リノベーションで理想の住まいを手に入れることができるのです。
まとめ
リフォームとリノベーションには、実は明確な線引きがないのが正直なところ。
この家をリノベーションするとしたらどう生まれ変わるのかな?リノベーションを考えているけど、もしかしたらリフォームでも住むかもしれないかな?など、住まいの改修についてはさまざまな悩みや疑問が出てくることでしょう。
まずは「どのような住まいにしたいのか」をよく考え、改修を検討していきましょう。クリエートではリフォーム・リノベーションの両方の観点から、より良い暮らしの環境を手に入れられるよう、皆さまのお手伝いをさせていただきます。
集合住宅に住まいを構えるうえで、もっともネックになるのが騒音問題と言っても過言ではないかもしれません。
いくつものお宅がひとつの建物内で暮らしているマンション。住宅街では「お隣さん」なんて呼び方をしますが、マンションではお隣さんは両隣・上階のお宅・階下のお宅・・・と、最大で4つの別のご家庭と密着した部屋で過ごしていることになります。
そのため、マンションにはマンション特有の騒音問題があり、それに対応する防音対策が必要となります。
マンション特有の騒音問題
お隣のご家庭の生活音(家電製品を使用する音・テレビの音・会話や電話の声)・子どものにぎやかな声やペットの鳴き声・近隣施設からの音などは戸建てのお宅と同じように入ってきます。
さらに上階の方の足音や物を落とす音・ドアを開け閉めする音・掃除機をかける音・配水管を水が流れていく音も響きます。すぐ上やお隣の部屋からの音だけでなく、配管や排気口を伝ってすこし離れた部屋の音が響いてくることも。
そして入ってくる音だけでなく、ご自身のご家庭の生活音が下の階の人の「天井からの騒音」となる場合もありますので、周りからの騒音だけが悩みのタネではないというのが、マンション特有の騒音問題で、実際にこのような騒音に悩まされたり、ご近所トラブルに発展してしまったケースも残念ながら少なくありません。
マンションの騒音を知る
①上階からの足音
マンションで騒音問題となりやすく、もっとも悩まされている人が多いのが足音です。上のお宅の足音が気になるなあ。と思っているご家庭でも、その下の階の住人の方からあなたのお宅もまた、もうすこし静かに歩いてくれないかなあ・・・と思われているかも知れません。イスを引く音やドアの開閉音なども同様です。
また、小さなお子さんがいらっしゃったりペットと暮らすご家庭では、子どもが部屋の中で飛び跳ねたり、ワンちゃんやねこちゃんが家具の上などから床に飛び降りたりする音は通常の足音よりも重く響く「重量床衝撃音」と呼ばれています。
こういった音は発生元となっている側が気づきにくく、意識しづらいことが多いため、なかなか対策が講じられていないというのも大きな問題となっているようです。
②配管・排気口を伝う音
マンションの建物内にはいくつもの配管や排気口がめぐっており、他の部屋とも「繋がって」います。
トイレやお風呂・キッチンなどを使用した時に流れる水の音はもちろんですが、その配管から離れた部屋の音も一緒に伝ってくることもあります。
実際にマンションで行われたある実験では、一番聞こえてくるのは真上の部屋からの騒音・そして2番目は真上の上の部屋の音であるというデータが発表されています。聞こえてくる音の中には、なんと斜め下の部屋からの騒音もあったとか。こういった音は配管や排気口を伝わって部屋の中に入ってきている可能性が考えられます。
また近年人気のウォークインクローゼットのあるお部屋。ウォークインクローゼットの中には配管のスペースがあり、そこからいくつものお部屋に騒音が伝わっていた・・・という事例もあるようです。
③窓
窓から入ってくる音は両隣のお部屋の生活音や、公園や道路など近隣施設から聞こえてくる音。お隣との距離が近いので、窓から入ってくる音は戸建てのお宅よりも大きく聞こえ、気になってしまう場合があります。
また、部屋と同じようにお隣と接しているベランダ。ベランダに干したお布団をパンパンとたたく音や話し声・エアコン室外機の音などは戸建てのお宅以上に気になるものでしょう。
④廊下側からの音
戸建てのお宅とマンションで大きく違うところは、必ず共用の廊下があるということです。自宅に帰るために住人だれもが通るこの廊下。
廊下を歩く足音・話し声・インターホンの音・エレベーターの音・・・廊下の音というのは思った以上に響くものです。
マンションには沢山のご家庭があり、ライフスタイルはそれぞれ。朝早く家を出る人・夜遅くに帰ってくる人・・・廊下に近いお部屋を寝室にしているご家庭もあるでしょう。多くの住人の方の何気ない足音が騒音となり、悩まされているというケースが非常に多く報告されています。
マンションの騒音対策を考えるには
マンション特有の騒音問題を解決するには、まずマンションの構造を知ることが重要。マンションの構造によりどんな音がどのように伝わっていくのか・伝わりやすいのかを考え、どのように対策していくかを判断する必要があります。
そしてその対策を講じる上でマンションの規約についてもしっかりと確認しておきましょう。分譲マンションでも、床や壁の工事を規約で禁止している場合や制約がある場合があります。せっかく施工の見積もりをしたのにマンションの規約でキャンセルになった!なんてことのないよう、管理会社ともよく相談しておくことも大切です。
まとめ
これだけたくさんのお宅が同じ建物内に暮らしているわけですから、配慮し合い時には譲りあいの気持ちを持つ、おたがいさまの精神が必要なのかもしれません。
騒音トラブルを避けるための防音施工は必須ですが、まずは他のご家庭と信頼関係を築き、良好なご近所関係を続けていくことが一番大切だと考えます。