現場の裏側ブログ

11月, 2019 | 株式会社クリエート|記事一覧

現代の住宅事情は昔とは比べ物にならないほど水準が上がり、建築技術も格段に高いものになりました。地震や水害など自然の猛威に見舞われ続けてきた日本では、過去の教訓を活かし、丈夫で強い住宅を建てる技術が発展してきた、ということもあるでしょう。

 

しかしカタチあるものは永遠ではありません。車も乗り続けるにはメンテナンスが必要ですし、私たち人間も健康のためには普段の生活に気を使い、病気になれば病院を受診しますよね。

 

それと同じように住まいも長く快適に暮らしていくためにはメンテナンスが必要。住宅のメンテナンスとはそう、リフォームです。新築の住まいを建てる時にも中古の住宅を購入する時にも、「これからこの家で暮らすにあたってどれくらいのメンテナンスが必要なのか」を考える必要があります。

 

92cbd6570fc96772cf064c411b328855_s-min

 

住まいの寿命とメンテナンス

森羅万象がそうであるように、住まいにも寿命が存在します。

 

一般的な木造住宅の場合、特にリフォームなどのメンテナンスを行わない場合だと約30年程だと言われています。しかし定期的にリフォームをして手をかければ、80年以上も十分快適に暮らしていくことも夢ではありません。

 

スケールの大きな話になりますが、世界遺産の白川郷のように歴史ある住宅でいまもなお人々が暮らしていけるのは、屋根の葺き替えなど定期的なメンテナンスを欠かさないからだと言えるでしょう。

 

新築の場合、現在の住まいを長持ちさせるために築10年目に最初のリフォームを行うのがベストだとされています。住宅に使われているさまざまな建材や資材の耐用年数は約10年であることが多く、紫外線や雨風の影響を受けている外回り・ベランダや屋根の防水・シロアリ駆除を始めるタイミングなど諸々の事を考えると、まず10年目にメンテナンスを考えるのが、家を長持ちさせる大切なターニングポイントです。

 

d7179df32e438a547b68a36348a8d9cb_s-min

 

築年数とメンテナンス費用

住み始めて10年になるけど、目立った劣化はないし特に壊れているところもない、まだリフォームの必要はない!なんてお考えではないでしょうか。

 

ここで、住宅のリフォーム費用と築年数の関係について考えていただきたいと思います。

 

ある不動産・住宅情報サイトを介して住まいのリフォームを行った方に、築年数とどのくらい費用がかかったのかを調査したデータがあります。その調査によると、築5年目以内に行ったリフォームの費用は約28万円・築10年目以内では約80万円。

 

築10年目以内にリフォームを行う方の数はまだまだ少ないですが、築20年以内だと約150万円・築30年以内では175万円と倍にも膨れ上がります。そして築30年以上でやっと重い腰を上げリフォームを行う・・・となると240万円近くにも。

 

5583327d0bd7a509a20eb4915d71ed0e_s-min

 

築年数が多くなると費用のかさむ水回り設備の修理や取り換えが必要になり、家全体をリフォームしなければならないというケースが多く、それだけ負担が大きくなります。大掛かりなリフォームで工事中は自宅に住むことができないため、仮住まいを借りる費用がかかってしまったというケースもあります。

 

また、とあるケースでは屋根をリフォームしようとしたら屋根裏にシロアリを発見。ご存知の通りシロアリは家の土台からじわじわと浸食してくるものです。屋根裏にまで来ているということは住まい全体がシロアリの住みかになっているということ・・・リフォーム費用に加えて、シロアリ駆除のために多くの費用を負担することになってしまった、ということがあったようです。もっと早くにメンテナンスをしていれば、シロアリの早期発見・駆除が可能となり費用も抑えることができたはずだった、という事例です。

 

壊れてから・劣化してからではもう遅いということ、お分かりいただけたでしょうか。

 

7d328f8fe93a98f09866937aaa01a34e_s-min

 

こまめな点検とメンテナンスを

 

自家用車も、タイヤやオイルは劣化していないか・安全装置は問題ないかなどをチェックする車検があります。トラブルになる前の発見で部品の交換や部分的な修理で済み、大切な愛車と長く付き合うことができますよね。それを怠ると深刻なトラブルが発生し、愛車との突然の別れ・車購入のための突然の出費などデメリットばかり。

 

住まいもそれと同じです。10年目に外壁塗装・屋根やベランダの防水・サッシやドア回り・浴室やキッチンなど水回りの設備にガタが来ていないか・劣化しそうな箇所はないかを点検し、気になるパーツや寿命と言われる部分のリフォームを早めに行うことで、家の寿命を何倍にも伸ばすことができます。

 

92cbd6570fc96772cf064c411b328855_s-min

 

まとめ

築10年目でもうリフォームかと考えると気が重くなる方もいらっしゃるかもしれませんが、「今度は壁をこんなデザインにしよう!」「シャワーを最新式に取り換えてバスタイムを充実させよう!」と、新たな楽しみになったという方がほとんどです。

 

愛する我が家の10歳の誕生日。リフォームというプレゼントはこれからも家族快適に住み続けていくための大きな安心となるでしょう。家を長持ちさせるには定期的なリフォームをすることがもっともコスパが良い!ということを覚えておいていていただきたいと思います。

 

 

中古の一戸建てやマンションを購入し、好みやこだわりを詰め込んだオリジナルの住まいへリノベーションするというスタイルが、いま新しい「住まいの夢」として、多くのひとの憧れやブームになっています。

 

しかしもちろん、ただやみくもに中古の物件を購入してリノベーションしようとしても、思い描いた住まいが実現しないこともあります。

どのような物件がリノベーションに適しているのかを考えていきましょう。

 

house-2596975_640

 

リノベーションできないケース

リノベーションというと、どんな古い住まいでも生まれ変わらせることのできる魔法のようにイメージしている方も多いかもしれませんが、実はそうとは限りません。

 

例えば、大きな柱やパイプスペース(水道管やガス管などの配管を集めているスペース)が部屋の中央やそれに近い部分にある、というような物件があるとします。それらは動かすことができないことがほとんどですので、ひとつの部屋にして大きなリビングを作りたかったのに・・・といった場合には、工夫次第で部屋を作ることができることもありますが、あきらめてデザインや間取りの変更を余儀なくされるということもあるのです。

 

こういったことを考えると、中古物件ならなんでもいいというワケではなく、リノベーションにふさわしい物件に目星をつけて選ぶ必要があります。

 

before

before

 

リノベーションを考えた物件選びのポイント

①築年数

住まいの安全性を考えると、2000年6月以降に建てられた物件がおすすめ。

 

木造住宅の建築基準法が改正された後に建てられた家のため、耐震基準が現行法に適合しており耐震補強工事も不要です。

 

1950年から2000年までに建てられた木造住宅の約9割近くは耐震性が不足しているというデータもあるため、住まいの安全のために耐震補強工事が必要となると考えてよいでしょう。

 

耐震補強工事には100万円~200万円ほどの費用がかかります。しかし、築20年~30年程経った住宅は不動産価値が消滅し、土地代のみで購入することが可能です。安く物件を手に入れられた分、耐震補強工事などのリノベーション費用に充てることができる・・・という考え方もできますね。

 

②工法

間取りを大きく変更するリノベーションの場合、多くの木造住宅で取り入れられている「木造軸組工法」が適していると言われています。

 

木造軸組工法は梁と柱で構造が組み立てられている物件は、壁を取ることが比較的簡単なので自由度が高く、大胆な間取りの変更も可能です。

 

逆に大手ハウスメーカーなどで施工されている「2×4工法」は、柱ではなく建物で壁を支えている構造のため壁を取り払うことが難しく、あまり自由に間取りを変更することはできません。

 

思い切った間取りの変更を希望する場合は、木造軸組工法の物件を選びましょう。

 

他にもプレハブ工法などがありますが、形式によっては間取りの変更が難しい場合もありますので、物件を探す場合はリノベーションしたいということや、どういったリノ

ベーションを行いたいかというイメージを伝えておくとスムーズです。

 

mx-2610fn_20190626_075953%ef%bc%93_%e3%83%98%e3%82%9a%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%82%99_6

 

③管理状態や規約

マンションのリノベーションを検討する場合は、実際に物件を見学した際に共用部分がきちんと管理されているかを確認しておきましょう。

 

せっかく自分たち家族の部屋をきれいにリノベーションしたとしても、エントランスや駐車場・ゴミステーションの掃除が行き届いていなかったり、外壁や階段にヒビが入っていたり・・・という状況では安心して暮らせませんよね。

 

そしてリノベーション工事を行う上で、利用規約の確認は必須です!安心して暮らすという観点から長期従前計画が建てられているかを含め、希望するリノベーション工事が利用規約で禁止されていないかをチェックしましょう。

 

騒音の問題などで、床や壁・天井・共用部分とみなされるバルコニーやドアの工事を禁止

している場合もあります。購入していざ工事・・・となった時に、その工事はできない!となってしまったらこれ以上の失敗はありません。

 

④お金

住宅購入しリノベーションをするにあたり住宅ローンの利用を視野に入れている方も多いと思いますが、物件によっては融資限度額が低く設定されていたり、場合によっては住宅ローンを組むことができないこともあります。

 

敷地と道路の条件が満たされていない「再建築不可」「要セットバック」の物件などがそれにあたり、土地を買い足して条件を満たしたり減築したりする必要が生じる場合があります。条件を満たすことが難しい場合もあり、可能な限りそういった物件は避けたいところ。

 

しかし、制約があったり住宅ローンに制限が設けられていたりといったデメリットはありますが、こうした物件は比較的安く購入できるという大きなメリットがあります。

 

リノベーションの計画や予算などを考え都合が合えば、こういったお得な物件を購入するというのもひとつの賢いやり方でもあります。

 

stencil-1508277_640

 

まとめ

リノベーションには、立地条件や状態などにこだわらず理想の住まいを手に入れることができるというメリットがあります。

 

後悔しないリノベーションは元となる中古物件選びから始まっていると考えて、最適な物件を選びましょう!