現場の裏側ブログ
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今回は前回の記事に続き、戸建て平屋住宅の防音・遮音対策について実際の事例をご紹介していきます。
ぜひ、前回の記事を読んでからこちらの記事を読んでみてくださいね。
増床する分の基礎工事から着手します。
一部既設建物を剥がし、既設基礎との正誤性を確認しながら強度にも注意していきます。
基礎が終わると養生期間をもって、大工による木材加工(建方)、既設屋根瓦メクリから既設建物の外壁、室内の解体撤去工事を行います。
柱/梁/基礎土間が見えるスケルトンにしていきます。
増床した分の屋根葺き替えを行い、既設瓦と補足瓦にて新しくなります。
【基礎土間】
外壁下地には、今までは要所のみ「筋交い」と呼ばれる耐力壁材が使われていましたが、今回は合板面材で改修部全面耐力壁としていきます。
外装材は既設と合わせて、全体に外壁塗装を行います。
外部建具は各室2窓として、LOW-E仕様のガラスを採用しました。
(LOW-Eガラスとは、合わせガラス+シングルガラスで構成されたペアガラスで防音性能が高いもの)
続いて、内部下地造作では新しく床下地を組み、遮音材を吹き込むスペースをつくり、壁/天井にも遮音材を吹き込むスペースを組んでいきます。
遮音壁マット(28dB/500Hz)遮音マット(38dB/500Hz)を併用して下地を組んでいきます。
【木組みで作られた遮音材を吹き込むスペース】
いよいよ遮音材吹込みです。弊社ではセルロースファイバーを採用しております。
セルロースファイバーとは、壁の熱貫流率0.53W/㎡Kの高い断熱性能を持つ吹き込み断熱材です。
天然の木質繊維が主原料で、環境に優しいリサイクル素材です。
もともと断熱・遮音性に高い木を綿のように加工した、高断熱素材です。
内部下地造作で造られた吹込みスペースに、25㎏/㎡~50㎏/㎡以上の厚を掛け吹き込んでいきます。
【遮音材が木組みに吹き込まれた様子】
セルロースファイバーの吹込みが終わると、仕上げ工事です。
遮音パネル(29dB/500Hz)をクロス下地に張り、吸音材として天井にはオトテン(防音用天井材)を張ります。
入口建具は防音ドア(37dB/500Hz)を採用し、インナーサッシもLOW-E仕様で、基本工事の場合は、45dB以上の遮音をしていきます。
立地条件や楽器によって、60dB以上の性能を施すことも可能です。
内装工事も終わり、室内のクリーニング美装工事を施し、最後に測定をします。
室内で110dB前後の音楽を流し、隣室、既設室内、屋外(3ヶ所程度)から測定していきます。
DR-65以下の遮音性能があれば合格となります。
以上で工事完了です。
完成のお写真は、6月ごろ弊社ホームページ施工事例にて掲載させていただきます。お楽しみに~☆
皆さんは近隣住宅の騒音や交通の騒音に悩んだ経験はありませんか?
リフォーム ・近隣トラブルの原因でよく聞くのが音の問題です。
音の問題を防ぎ、お家やお部屋の防音・遮音を手に入れるには、壁のリフォームが不可欠です。
音の問題を防ぎ防音・遮音効果を高めるには、目的と住居に合わせた壁のリフォームが重要です。
まずは、目的と住居に合わせた防音・遮音リフォームの内容をご紹介します。
戸建ては車の音や通行人の声など外部からの騒音が気になりますが、意外にも家族の話声や楽器の音・足音などの生活音が外部に漏れていることもあるので気を付けましょう。
外部の騒音を防止するには、壁に遮音材や制振材を施します。
また生活音が漏れるのを防ぐには、壁のリフォームと共に床や天井の遮音・防音リフォームを行うことが大切です。
マンションは集合住宅のため隣の生活音や室外機の音が聞こえてくる場合があります。
マンションの場合は、壁に遮音材などを施して防音リフォームを行います。
しかし、マンションの構造によってリフォーム内容が変わるので注意しましょう。
鉄筋コンクリートのマンションは、隣り合う住居をコンクリートで仕切っていることが多いです。
この場合、内装の仕上げに直接クロスを貼るクロス直貼りと石膏ボードを角材などで固定してクロスを貼りつける二重壁の二種類のリフォームがあります。
自分の住んでいるマンションの構造を調べ、それに合った種類のリフォームを選びましょう。
次に、防音壁リフォームの工程を見ていきましょう。
「誰にも気兼ねなくピアノを演奏したい」という場合や「静かな寝室でゆっくり寝たい」という場合は、より複雑な工程を踏んだ遮音・防音リフォームが最適です。
壁の下地の隙間に吸音材を取り付け遮音性の高い石膏ボードをつけて固定し、さらに遮音シートや遮音パネルを重ねることで、遮音・防音効果を高めるのです。
このように高い性能の防音効果を求める場合は、施工に手間と時間が必要となるのでその分費用がかかりますが、その分満足のいく高い防音効果が期待できるでしょう。
壁のクロスの上から施工できる防音リフォームなど比較的手軽な工事もありますが、思ったような防音性能が得られない可能性も高いため、慎重に検討する必要があります。
そうならないためにも、目的によって防音の性能基準を設定してくれる専門家にきちんと相談しましょう。
最後に、壁の防音リフォームの注意点をご紹介します。
できるだけ安いリフォーム業者を選んだり、値引き交渉を行って低価格に抑えた防音リフォームは、あまりおすすめできません。
なぜなら、あまりにも安い費用に抑えてしまうとワングレード下の素材を防音リフォームに使われ、満足のいかない結果になってしまう可能性があるためです。
防音材や吸音材は高機能建材に該当する製品です。それだけ良い素材を使用しておりその分価格が高くなることを十分に理解しておきましょう。
近隣の生活音が気になる場合は、生活音が床から伝わっているケースもあります。
本来、防音リフォームは床や壁・天井での対策が必要ですが、床から音が伝わっている場合は床材を防音効果のあるものに変えたり、遮音カーペットを敷いたりして防音効果を高めましょう。
近隣の生活音を防ぎたい場合は、このように壁と一緒に床のリフォーム工事を行うことをおすすめします。
もともと通気性が高い家や、断熱性の高い家の場合も注意しましょう。
音は空気を介して伝わるので、通気性が高いとその分音も伝わりやすくなるのです。
そのため通気性の高い家を防音リフォームすると、通気性がどうしても低下してしまうので注意が必要です。
通気ダクトや換気扇には音の伝達に配慮した構造のものもあるので、防音リフォームを行う際にはこういった製品を選ぶことをおすすめします。
高断熱タイプの家や高気密住宅の場合は、防音リフォームを行わなくても、ある程度の騒音を抑えられるというメリットがあります。
では、数多くあるリフォーム会社から、失敗のない優良なリフォーム会社を見つけるにはどうしたらよいのでしょうか。
リフォームの工事方法や費用は、リフォーム会社によって大きく異なる場合があります。
そこで大切なのは、いくつかのリフォーム会社に見積依頼をして、必ず比較してから検討することです。
経験や実績があるリフォーム会社を選ぶことも大切です。
必ず費用だけで選ばず、リフォーム工事の内容などをチェックし、納得のいくリフォーム会社を選んでくださいね。