現場の裏側ブログ
現場の裏側ブログ
現代の住宅事情は昔とは比べ物にならないほど水準が上がり、建築技術も格段に高いものになりました。地震や水害など自然の猛威に見舞われ続けてきた日本では、過去の教訓を活かし、丈夫で強い住宅を建てる技術が発展してきた、ということもあるでしょう。
しかしカタチあるものは永遠ではありません。車も乗り続けるにはメンテナンスが必要ですし、私たち人間も健康のためには普段の生活に気を使い、病気になれば病院を受診しますよね。
それと同じように住まいも長く快適に暮らしていくためにはメンテナンスが必要。住宅のメンテナンスとはそう、リフォームです。新築の住まいを建てる時にも中古の住宅を購入する時にも、「これからこの家で暮らすにあたってどれくらいのメンテナンスが必要なのか」を考える必要があります。
住まいの寿命とメンテナンス
森羅万象がそうであるように、住まいにも寿命が存在します。
一般的な木造住宅の場合、特にリフォームなどのメンテナンスを行わない場合だと約30年程だと言われています。しかし定期的にリフォームをして手をかければ、80年以上も十分快適に暮らしていくことも夢ではありません。
スケールの大きな話になりますが、世界遺産の白川郷のように歴史ある住宅でいまもなお人々が暮らしていけるのは、屋根の葺き替えなど定期的なメンテナンスを欠かさないからだと言えるでしょう。
新築の場合、現在の住まいを長持ちさせるために築10年目に最初のリフォームを行うのがベストだとされています。住宅に使われているさまざまな建材や資材の耐用年数は約10年であることが多く、紫外線や雨風の影響を受けている外回り・ベランダや屋根の防水・シロアリ駆除を始めるタイミングなど諸々の事を考えると、まず10年目にメンテナンスを考えるのが、家を長持ちさせる大切なターニングポイントです。
築年数とメンテナンス費用
住み始めて10年になるけど、目立った劣化はないし特に壊れているところもない、まだリフォームの必要はない!なんてお考えではないでしょうか。
ここで、住宅のリフォーム費用と築年数の関係について考えていただきたいと思います。
ある不動産・住宅情報サイトを介して住まいのリフォームを行った方に、築年数とどのくらい費用がかかったのかを調査したデータがあります。その調査によると、築5年目以内に行ったリフォームの費用は約28万円・築10年目以内では約80万円。
築10年目以内にリフォームを行う方の数はまだまだ少ないですが、築20年以内だと約150万円・築30年以内では175万円と倍にも膨れ上がります。そして築30年以上でやっと重い腰を上げリフォームを行う・・・となると240万円近くにも。
築年数が多くなると費用のかさむ水回り設備の修理や取り換えが必要になり、家全体をリフォームしなければならないというケースが多く、それだけ負担が大きくなります。大掛かりなリフォームで工事中は自宅に住むことができないため、仮住まいを借りる費用がかかってしまったというケースもあります。
また、とあるケースでは屋根をリフォームしようとしたら屋根裏にシロアリを発見。ご存知の通りシロアリは家の土台からじわじわと浸食してくるものです。屋根裏にまで来ているということは住まい全体がシロアリの住みかになっているということ・・・リフォーム費用に加えて、シロアリ駆除のために多くの費用を負担することになってしまった、ということがあったようです。もっと早くにメンテナンスをしていれば、シロアリの早期発見・駆除が可能となり費用も抑えることができたはずだった、という事例です。
壊れてから・劣化してからではもう遅いということ、お分かりいただけたでしょうか。
こまめな点検とメンテナンスを
自家用車も、タイヤやオイルは劣化していないか・安全装置は問題ないかなどをチェックする車検があります。トラブルになる前の発見で部品の交換や部分的な修理で済み、大切な愛車と長く付き合うことができますよね。それを怠ると深刻なトラブルが発生し、愛車との突然の別れ・車購入のための突然の出費などデメリットばかり。
住まいもそれと同じです。10年目に外壁塗装・屋根やベランダの防水・サッシやドア回り・浴室やキッチンなど水回りの設備にガタが来ていないか・劣化しそうな箇所はないかを点検し、気になるパーツや寿命と言われる部分のリフォームを早めに行うことで、家の寿命を何倍にも伸ばすことができます。
まとめ
築10年目でもうリフォームかと考えると気が重くなる方もいらっしゃるかもしれませんが、「今度は壁をこんなデザインにしよう!」「シャワーを最新式に取り換えてバスタイムを充実させよう!」と、新たな楽しみになったという方がほとんどです。
愛する我が家の10歳の誕生日。リフォームというプレゼントはこれからも家族快適に住み続けていくための大きな安心となるでしょう。家を長持ちさせるには定期的なリフォームをすることがもっともコスパが良い!ということを覚えておいていていただきたいと思います。