現場の裏側ブログ
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空気を振動させながら伝わってくる音。住まいの中で騒音を防ぐためには室内の「気密性」の高さがカギとなります。
室内の気密性を高めるための対策として二重サッシや防音ガラスなどを使用した窓のリフォームについてご紹介してきましたが、今回はより気密性を高め遮音効果も期待できる「防音ドア」についてご紹介していきたいと思います。
ドアと防音
外部から室内・室内から外部へ伝わる音のほとんどは、窓やドアなその隙間を通って出入りしています。この隙間を極限まで無くし、空気のつながりを遮って建物の振動を押さえる必要があります。
一般のドアもパタンと閉まり一見すると隙間などないように感じられますが、よく見ると床との設置面やドア枠との間などわずかですが隙間が開いている場合があります。音はそんなわずかな
隙間からも出入りしてしまいますので、普通のドアでは完全な防音対策をするのは難しいというのが現状です。
防音ドアの特徴
このわずかな隙間さえもしっかりと埋めることができるように、性能の高い特殊なゴムを使用したゴムパッキンを使っているのが防音ドアです。このゴムパッキンのおかげで一般的なドアと比較すると隙間は遥かに少なく、室内の気密性は格段に上昇します。
部屋の用途やシチュエーションによりさらなる気密性や防音性能を求められる場合は、ゴムパッキンが二重になっていたりドアノブ部分がローラーやレバーの締まるようなタイプになっているものもあります。
このタイプのしっかりとした防音ドアは、学校の放送室やカラオケ店の個室などでどなたでも一度はご覧になったことがあるでしょう。
防音ドアの効果と必要性能
防音ドアには簡易的なものから本格的なものまで幅広く種類があります。それぞれの目的やどれくらいの防音効果を求めているかによって防音ドアを選びましょう。
簡易防音ドアには-30db・本格的な音楽用防音ドアは-55dbの防音効果があるとされていて、防げる音のレベルは「必要性能」として計算します。
「部屋の前である程度聞こえるくらい」の効果を求めるなら必要性能は50db・「極限まで漏れる音を減らしたい」なら必要性能は60db必要です。
防ぎたい音のレベルなどによって防音の必要性能は変化します。ピアノの練習室に簡易防音ドアではほとんど役に立ちませんし、日常の生活音に対して音楽用防音ドアではオーバーで逆に暮らしが不便になってしまうことも考えられますね。
防音ドアの選び方
目的や音のレベルに合った性能の防音ドアを選ぶことがまず大前提となりますが、どのような防音ドアを選べばいいのかを見ていきましょう。
開き方
防音ドアの最大の特徴は強力なゴムパッキン。ゴムパッキンでギュウと隙間を埋めることで防音性能を発揮しますので、防音ドアは開き戸であることが基本中の基本です。
引き戸タイプでも日常の生活音ならある程度は防音ドアとしての機能を果たしてくれますが、時間の経過とともに隙間が開くようになってしまいますし、長期の防音効果を求める場合や音楽の防音には向きません。
構造上、開き戸ではどうしても支障がある場合を除いては開き戸のものを選びましょう。
厚さ
ゴムパッキンで隙間を埋めることも大事ですが、ドアそのものが振動に強くないと防音ドアの意味がありません。音楽や楽器の音をしっかり対策したい場合は振動により強い、重さと厚さのある防音ドアを選びましょう。
日常の生活音レベルであれば厚みや重さの少ない簡易防音ドアでも問題ありません。開け閉めする回数の多いドアが重量感のあるものだと生活が非常に不便になってしまいます。
ドアノブ
本格的な防音が求められるシチュエーションの防音ドアのドアノブはしっかりと固定できるものが理想です。一般的なドアと同じような普通のドアノブではゴムパッキンをしっかりとつぶし、隙間を埋めることができません。
カラオケ店などのドアによく見られる、ガチャリと鍵のようになっているハンドルのようなドアを「グレモン錠」「グレモンハンドル」と呼びます。
ドアをしっかりと力強くロックで固定することができるので、室内の機密性をより高く保つことができるので、完璧な防音を求める場合はこのタイプを選ぶことをおすすめします。
まとめ
防音ドアは非常に優れた住まいの防音対策です。窓の防音リフォームに加えて防音ドアを施工することで防音効果はさらに高まり、生活環境は格段に向上します。
防ぎたい音の種類・どれくらいの防音効果を必要としているかによって防音ドアのタイプもことなりますし、住まいのタイプによっては既存のドアにプラスして「二重ドア」のようにすることも可能です。
気兼ねなく楽器の演奏や音楽鑑賞を楽しんだり、家族や大切な人たちとにぎやかなひと時を過ごすのは、暮らしに豊かさをもたらしてくれます。
より多くのお客様に音に悩まされない環境を作り上げていただくために、これからもクリエートは防音についての情報をお伝えしていきたいと思います。