防音ブログ
防音施工の写真  

音が伝わるメカニズム・空気音と個体音

更新日時:2019.06.27
カテゴリー:ブログ

騒音に悩まされない環境を作り上げるためには、まず音を理解することです。

これまでもいくつか音の性質やメカニズムについてご紹介してきましたが、今回はその「伝わり方」にスポットを当て、音の伝わり方から騒音対策を考えていきたいと思います。

 

145579a9a9f0b677dbf8227e275cfaed_s-min

 

騒音の種類

音にはおもに2種類の伝わり方があり、暮らしのなかで「騒音」と呼ばれる音の種類もその2種類に分けられます。

 

①空気音

空気音と呼ばれている「空気伝搬音」は、その名の通り空気を伝わって私たちの耳に入ってくる音のことです。

暮らしの中の騒音では、家の外から入ってくる人の話し声や車の音・動物の鳴き声・楽器の音などが空気を伝わる騒音に挙げられます。

音を出している「音源」から近ければ近いほど音のレベルが大きくうるさいと、逆に遠いほど音のレベルは小さくなります。

学校の音楽室や演奏を行うホール・カラオケルームなど、音源のあるドアを閉めれば、室内の音がほとんど聞こえない・または音が遥かに小さくなるように、壁などで仕切ればある程度遮断できるのがこの空気音です。

 

②個体音

個体音と呼ばれている「個体伝搬音」は、個体を震わせながら伝わっていく音のことを指します。

例えば線路などで、電車はまだ遠くにいるのにレールから「カタンカタン」と電車の走る音が聞こえてくることがありますが、このように振動によって音がはるか遠くまで伝わっていくのが個体音の特徴です。

マンションなど集合住宅で、お隣の部屋の生活音・上の部屋の足音などが壁や天井を伝わって響いてくるタイプの音が主に個体を伝わる騒音として挙げられますが、ピアノの音や大きな話し声が壁や天井を震わせて伝わるように、「空気音が個体音となり騒音を発生させる」というパターンもあります。

電車のレールのように遠くまで音を響かせる個体音は、マンションなどでひとつの部屋で発生した騒音が、お隣や真下の部屋だけでなく、周りの部屋の広い範囲まで騒音として伝わりやすいという特徴もあります。

 

6e506be3034c5263c6d823aa245ad661_s-min

 

音を伝える媒体

空気・個体と言っても種類はさまざま。住まいの中でどのようなものを伝わって騒音は届いてくるのでしょうか。

 

①窓

窓から伝わる騒音についてはこちらの記事で詳しくお話ししましたが、窓のサッシにはスムーズに開閉するためのわずかな隙間があります。

この隙間から空気が室内に入ることによって、騒音も一緒に入り込んできてしまうのです。

 

②部屋の隙間

換気扇の換気口・エアコンの室外機に繋がるホース・換気口など、住まいの中には室内と屋外を繋いでいる「空気の通り道」の役割を果たす穴や隙間がたくさん。

どれも私たちの生活や住まいのためには欠かせないものですが、この隙間から空気と一緒に外からの騒音が室内に入ってきてしまいます。

 

③壁・床・天井

足音・床に者を落とした音・掃除機をかける音・床に置いた洗濯機の音・壁に密着したテレビの音など、床や壁に音源が密着することで振動が起こり騒音を伝えます。

コンクリートは空気音を遮断することは可能ですが、個体音に対しては騒音を伝える媒体となってしまうこともあります。

 

④給排水管

集合住宅では、ひとつの給排水管が多くの部屋を通っていることがしばしばあります。

お風呂やトイレなどで流した水がこの配水管を伝わっていく音はもちろんですが、個体音がこの給排水管を震わせて伝わることで、隣接した部屋だけでなく離れた多くの部屋へ騒音として伝わってしまうケースが非常に多くあります。

 

6760964a7b5ad2183233da4a663ec07f_s-min

 

伝わり方から考える騒音対策

空気音には空気音の・個体音には個体音の騒音対策がそれぞれ必要となります。

 

①空気音対策

空気音タイプの騒音が室内に入り込まないようにするためには、住まいの隙間を可能な限り小さくし、屋外の空気が入ってこないようにすることです。

 

二重サッシなどで外からの空気の侵入をシャットアウトする・エアコンの室外機のホースの穴をしっかり塞ぐ・防音ドアの取り付けなどで室内の気密性を高めることで空気音は伝わりにくくなります。

換気口の場合、専用のサイレンサーを取り付けるのも効果的です。

 

②個体音対策

個体音タイプの騒音の発生をふせぐためには個体の振動をおさえる・振動が伝わらないような対策が必要となります。

防音カーペット・マットや防音フローリング・部屋の壁に防音効果の高い壁材を使用するなど、衝撃を吸収するような対策を講じましょう。

ピアノなど楽器やオーディオでの音楽の対策には防音パネルなどもありますが、取り付け方によっては聞こえる音が劣化してしまう場合もありますので、取り付ける際には業者によく相談しましょう。

 

e71e721f5bf82b33442e4e9d52f9e95c_s-min

 

まとめ

住まいのリフォームをご検討の際に防音対策も検討いただくことを我々は強くおすすめしていますが、どんな騒音に悩まされているのか・防ぎたいのかによってその対策は異なります。

 

まずはお客様のライフスタイルや現在の状況をお聞かせください。

住まいの質・暮らしの環境をさらに良いものにするために、音のことを知り、正しい騒音対策を行っていきましょう。

よりよい生活環境を、多くのお客様と一緒に作り上げていくことがクリエートの目標です。まずはお気軽にご相談ください!

お気軽にお問い合わせください

コメントは受け付けていません。