現場の裏側ブログ
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今回は、二世帯住宅におけるお子さんの足音に対する、防音・遮音対策についてご紹介します。
新しく二世帯住宅として改修される場合、一階を親世帯、二階を子世帯に改修される計画を立てる方が、圧倒的に多く感じます。
そんな中、キッチン、バスルーム、トイレなどのをそれぞれの階に配置することを検討される方は多いのですが、ライフスタイルの差から来る生活騒音まで事前に検討されることは、中々ありません。
二階から聞こえてくる話し声やテレビの音。物を引きずる音や、場合によっては子供たちの走り回る音……。
就寝に入る時間にこんな音が響いてきては、翌日の仕事に差し支えますよね。
反対に、早くからそういった生活音がして、休日なのにゆっくりできない、眠りが浅くなってしまうといった現象も起こりえます。
「せっかくの二世帯住宅なのに、お互いのライフスタイルがすれ違ってしまい、様々なことが苦痛になってしまった」
こういった声は、よく伺います。
今回はそんな、二世帯住宅における防音・遮音対策について、3つご紹介いたします。
一般的な住宅では、一階と二階の間に、防音素材はおろか、断熱材も入っていません。
その部分に断熱材を敷き詰めるだけでも、防音効果が期待できます。
また、断熱材を敷き詰めることによって断熱効果も得られるため、室温を快適に保つことができるようになります。
生活の快適さと防音対策、両方が期待できる対策です。
ただし、断熱材には多くの種類があるため、どの断熱材を使うかは、慎重に検討する必要があります。
「標準的なものでいいよ」という場合であれば、グラスウール100㎜をおすすめしています。
目に見える床の、奥にある部分、床下地というところに、遮音緩衝材を敷き詰めます。
床への衝撃音に対して特に効果的で、お子さんの走る音が階下に伝わるのを防ぐのに有効です。
フローリングなどの仕上げ材は緩衝材の上にくるので、見た目はこれまでと変わらず、部屋の印象を損なうことなく対策できます。
実際の流れとしては、ダイケン工業の遮音マット(S18)を張り、合板下地を重ねた後、フローリングなどの仕上げ材を張ることで完成となります。
壁を伝う音を対策することも、防音においては大切になります。
壁下地に張るブラスターボードを遮音パネル仕様にすることや、アルミサッシ窓にインナーサッシを設置することによって、防音効果が得られるとともに、居住空間をかなり快適にすることが可能です。
また、壁に対策するため、外から入ってくる音にも強くなります。
このように、防音室を作らなくとも対処法は様々あります。
但し、やみくもに詰め込んだり、挟み込んだりしないようにしないようにだけ、注意してください。
あなたのお家で発生しやすい音、生活音の性質・種類を把握して、間取りにどのように干渉するか、十分検討した上で、計画的に対処することが大切です。
大規模な工事をしたり、大きな防音室で部屋を狭くするばかりが防音ではありません。少ない予算でも、効果的に対処すれば、十分な対策が取れます。
せっかくの二世帯住宅、生活音のトラブルからご家族の笑顔が無くなってしまうようなことにならないよう、
ご夫妻と親御さん世帯、お子さんの暮らしを、是非より良いものにしてみてください。
まずは信頼のおける業者に相談してみるのが、一番の近道です。
株式会社クリエートでは、目的に応じた防音・遮音・生活音対策の状況から、将来的な居住空間のありかたをしっかりヒアリングさせていただき、快適なプランをご提案していきます。
もしお困りのようでしたら、ぜひともご相談ください。
今回は身近な防音対策、オンラインミーティング時のハウリング対策について、ご紹介します。
会社でオンラインミーティングをしているとき、「音がハウリングしている」と言われたことはないでしょうか?
それが自社内のリモートワーク時ならともかく、取引先とのミーティングであったら大変です。
そんな、オンラインミーティングの際のハウリングの要因や、それを防止する、防音・遮音対策についてご紹介いたします。
ハウリングの要因には、大きく分けて二種類あります。
一つは、音響機材に依る要因。
ハウリング現象は多くの場合、スピーカーとマイクの位置関係が原因で発生します。
例えば、マイクとスピーカーが向き合ってしまうような設置がされていたり、そもそもマイクの数が多かったりするといった状況です。
他にも、マイクとスピーカーの波長がループしてしまいハウリングが起こってしまうなど、音響機材のセッティングによる原因ですね。
こういった場合、音響機材のセッティングによるアプローチから、対策することになります。
音響機材以外で考えられるのが、建築的な要因によって、ハウリングが起こっている場合です。
「建築的な要因」と言うと少し身構えてしまうかもしれませんが、要するに、部屋の造りや使われている素材が、ハウリングしやすいものである場合です。
天井や壁など、部屋に使われている素材によっては、音の反響や反射を引き起こしやすい状態になることがあります。
原因となっている割合は低いですが、機材が近い場合や、物理的に狭かったりする場合などは、建築的な要因からハウリングが発生していると言えます。
このように、「部屋そのものが、そもそもハウリングしやすい造り・素材で出来ている」という場合は、音響機材のセッティングを変えたり、取り替えたりしても、意味がありません。
そういう場合、建築的な面から環境を変え、ハウリングを防ぐ必要があります。
音響機材の設定だけでハウリングが抑制できればそれに越したことはないのですが、
それで解決できない場合、次は建築的なアプローチをしていくことになります。
音響機材が要因となるハウリングには、音響機材による対策をしていきます。
すぐにできる対策としては、スピーカーの向きを部屋の長手方向に変えることや、機材の配置を変える等があります。
スピーカーの向きを変えると壁までの距離や音の反射の具合が変わりますし、向きだけでなく、設置場所を調整するだけでも、十分な効果を得られる場合があります。
試行錯誤する必要はありますが、それで解決できるのなら、これが最も費用対効果に優れる、効果的な対策です。
スピーカーが移動させられたり、場所の調整が可能でしたら、まずはここから試してみるのがオススメです。
音響機材への対策だけでハウリングが抑制できればそれに越したことはありません。
しかし、それで解決できない場合、次は建築的な要因に対してアプローチしていくことになります。
ハウリングは、床・壁・天井の6面体をピンポンゲームのように反射することで起こる、電波障害です。
そのため、各面に対して一つづつ対処法を考えながら、以下のようにひとつづつ対策を検討していくことになります。
床:吸音率の高いカーペットを使う
壁:壁下地を遮音パネル(PB下地)に変更し、凹凸のあるクロスに張替える
天井:吸音性の高い、ボード系の天井材を張る
また予備対策として、スピーカーの正面壁にカーテンを吊るすだけでもハウリング対策効果が得られます。
また、ハウリングを防ぐ緩衝材を壁掛けパネル化した、吸音パッドというものも各メーカーから販売されており、それを取り付けることも可能です。
予算とハウリングの程度によって、適切な対策を選ぶことが重要になります。
実際、ハウリングにお困りの会社様もいらっしゃり、相談をいただきました。その際は、会議室の天井全体を、吸音パネルに張り替える工事を行いました。
通常、防音室施工では室内面積に対する吸音仕様の割合を、80%まで上げることが理想とされていますが、
弊社では、基本的に100%(すなわち室内天井すべて)を、吸音仕様にすることを、施工基準としています。
いかがでしたか?
オンラインミーティングの環境は、ミーティングの内容はもちろんのこと、外部の方への印象をも左右する、大切な要素です。
こちらの記事で、ハウリングを抑制する工事が毎日の仕事に関わる、身近なものであることが感じていただけるきっかけとなれば幸いです。
仕事を円滑に、相手方にも気持ちよくオンラインミーティングに望んでもらうためにも、ハウリングしない環境を作って臨んでくださいね。
今回ご紹介したように、防音・遮音に関する適切なノウハウがあれば、必ずしも、費用のかさむ大きな工事は必要ありません。
必要最低限の対策で最大の効果を得るためにも、まずは信頼のおける業者に相談してみるのが、一番の近道です。プロの知恵をちょっと借りるつもりで、お気軽にご相談ください。