現場の裏側ブログ
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集合住宅に住まいを構えるうえで、もっともネックになるのが騒音問題と言っても過言ではないかもしれません。
いくつものお宅がひとつの建物内で暮らしているマンション。住宅街では「お隣さん」なんて呼び方をしますが、マンションではお隣さんは両隣・上階のお宅・階下のお宅・・・と、最大で4つの別のご家庭と密着した部屋で過ごしていることになります。
そのため、マンションにはマンション特有の騒音問題があり、それに対応する防音対策が必要となります。
マンション特有の騒音問題
お隣のご家庭の生活音(家電製品を使用する音・テレビの音・会話や電話の声)・子どものにぎやかな声やペットの鳴き声・近隣施設からの音などは戸建てのお宅と同じように入ってきます。
さらに上階の方の足音や物を落とす音・ドアを開け閉めする音・掃除機をかける音・配水管を水が流れていく音も響きます。すぐ上やお隣の部屋からの音だけでなく、配管や排気口を伝ってすこし離れた部屋の音が響いてくることも。
そして入ってくる音だけでなく、ご自身のご家庭の生活音が下の階の人の「天井からの騒音」となる場合もありますので、周りからの騒音だけが悩みのタネではないというのが、マンション特有の騒音問題で、実際にこのような騒音に悩まされたり、ご近所トラブルに発展してしまったケースも残念ながら少なくありません。
マンションの騒音を知る
①上階からの足音
マンションで騒音問題となりやすく、もっとも悩まされている人が多いのが足音です。上のお宅の足音が気になるなあ。と思っているご家庭でも、その下の階の住人の方からあなたのお宅もまた、もうすこし静かに歩いてくれないかなあ・・・と思われているかも知れません。イスを引く音やドアの開閉音なども同様です。
また、小さなお子さんがいらっしゃったりペットと暮らすご家庭では、子どもが部屋の中で飛び跳ねたり、ワンちゃんやねこちゃんが家具の上などから床に飛び降りたりする音は通常の足音よりも重く響く「重量床衝撃音」と呼ばれています。
こういった音は発生元となっている側が気づきにくく、意識しづらいことが多いため、なかなか対策が講じられていないというのも大きな問題となっているようです。
②配管・排気口を伝う音
マンションの建物内にはいくつもの配管や排気口がめぐっており、他の部屋とも「繋がって」います。
トイレやお風呂・キッチンなどを使用した時に流れる水の音はもちろんですが、その配管から離れた部屋の音も一緒に伝ってくることもあります。
実際にマンションで行われたある実験では、一番聞こえてくるのは真上の部屋からの騒音・そして2番目は真上の上の部屋の音であるというデータが発表されています。聞こえてくる音の中には、なんと斜め下の部屋からの騒音もあったとか。こういった音は配管や排気口を伝わって部屋の中に入ってきている可能性が考えられます。
また近年人気のウォークインクローゼットのあるお部屋。ウォークインクローゼットの中には配管のスペースがあり、そこからいくつものお部屋に騒音が伝わっていた・・・という事例もあるようです。
③窓
窓から入ってくる音は両隣のお部屋の生活音や、公園や道路など近隣施設から聞こえてくる音。お隣との距離が近いので、窓から入ってくる音は戸建てのお宅よりも大きく聞こえ、気になってしまう場合があります。
また、部屋と同じようにお隣と接しているベランダ。ベランダに干したお布団をパンパンとたたく音や話し声・エアコン室外機の音などは戸建てのお宅以上に気になるものでしょう。
④廊下側からの音
戸建てのお宅とマンションで大きく違うところは、必ず共用の廊下があるということです。自宅に帰るために住人だれもが通るこの廊下。
廊下を歩く足音・話し声・インターホンの音・エレベーターの音・・・廊下の音というのは思った以上に響くものです。
マンションには沢山のご家庭があり、ライフスタイルはそれぞれ。朝早く家を出る人・夜遅くに帰ってくる人・・・廊下に近いお部屋を寝室にしているご家庭もあるでしょう。多くの住人の方の何気ない足音が騒音となり、悩まされているというケースが非常に多く報告されています。
マンションの騒音対策を考えるには
マンション特有の騒音問題を解決するには、まずマンションの構造を知ることが重要。マンションの構造によりどんな音がどのように伝わっていくのか・伝わりやすいのかを考え、どのように対策していくかを判断する必要があります。
そしてその対策を講じる上でマンションの規約についてもしっかりと確認しておきましょう。分譲マンションでも、床や壁の工事を規約で禁止している場合や制約がある場合があります。せっかく施工の見積もりをしたのにマンションの規約でキャンセルになった!なんてことのないよう、管理会社ともよく相談しておくことも大切です。
まとめ
これだけたくさんのお宅が同じ建物内に暮らしているわけですから、配慮し合い時には譲りあいの気持ちを持つ、おたがいさまの精神が必要なのかもしれません。
騒音トラブルを避けるための防音施工は必須ですが、まずは他のご家庭と信頼関係を築き、良好なご近所関係を続けていくことが一番大切だと考えます。